
Matt Parker Interview
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2005年4月に、鵠沼にある「CALIFORNIA GENERAL STORE」での「ALBUM」のイベント開催に際して来日した、シェーパーMATT PARKERにライダーでもある五十嵐キアヌがシェイプ哲学をインタビューした。
通訳: K(五十嵐キアヌ): 今回、約30年ぶりの本格的な日本旅行だったと思いますが、どんな印象を受けましたか?
M(マット・パーカー): 全体的に、すごく「気づき」が多い旅だったと思います。文化を直接体感できたのは本当に特別で、まるで別の惑星に降り立ったような感覚でした。すべてが新鮮で、でも驚くほど整っていて、美しく機能しているんですよね。
都市の中を歩き回って、そのエネルギーを感じるのも面白かったし、一方でビーチに行ってサーフカルチャーに触れることができたのも最高でした。まったく違う世界が共存していることに感動しました。

Matt Parkerと日本モデルについてディスカッションする五十嵐キアヌ
K: ポップアップイベントについては、どう感じましたか?
M: あれは本当に最高でしたね。アルバムやプロダクトに対する皆さんのリアクションを、直接この目で見られたのが嬉しかったです。
僕は普段カリフォルニアでボードをシェイプしてるけど、実際に日本でそのボードに乗ってくれてる人たちと会えるって、めちゃくちゃ貴重な体験でした。
どんな波に乗っているのか、どんなスタイルのボードが好まれているのかを知ることで、次に作るボードのインスピレーションにもつながる。
今後はもっと「その人に合った」「その場所に合った」ボード作りができそうで、すごく楽しみです。

湘南のレジェンドサーファー&シェーパーの勝又CUTS正彦氏のシェイプルームを訪問
K: 日本のサーファーにはどんな印象を持ちましたか?
M: まず思ったのは、「純粋なサーフィンへの喜び」にあふれてるなってこと。エゴがなくて、心から楽しんでる感じ。
波が小さくても、誰も文句なんて言わないし、みんな同じようにワクワクして海に入っていく。
それがすごく新鮮だったし、「ああ、サーフィンってこういうシンプルな喜びのためにやるものなんだな」って原点に戻れた気がしました。
イベントで話した人たちも、みんなフレンドリーでウェルカムな雰囲気があって、その空気感がサーフィンのスタイルにも反映されてるなって思いました。

CALIFORNIA GENERAL STORE にて、レジェンドサーファー&カメラマンの横山泰介氏が2人を撮影
K: 日本市場向けに、新しいボードのアイデアやモデルは浮かびましたか?
M: はい、たくさんのヒントをもらいました。日本の波って、サイズが小さい日が多い印象なので、いかに「小さな波でも楽しめるボード」をデザインするかが鍵になると思います。
チンハイ(あごくらいの高さ)からヘッドハイ(頭くらいの高さ)まで、幅広いコンディションに対応できる**「万能性」**が重要ですね。
それに、たまに「その日の波に合ってないボード」に乗ってる人もいて、もったいないなと。だから、スピードが出しやすくて、ターンも軽快にできて、なおかつデザインのディテールにこだわったモデルが求められていると感じました。
日本のユーザーはそういう細部にもすごく敏感なので、量産型じゃなくて、「しっかり考え抜かれたデザイン」が必要だなと思いました。

束の間の空き時間に訪れた鎌倉大仏にて
K: 次に日本に来る予定はありますか?
M: おそらく次は1月頃になると思います。雪と波、両方楽しめたら最高ですね。
また来れるのを楽しみにしています。本当にありがとうございました。